結婚式の際に新郎新婦の父親にあたる方の服装はモーニングコートが多く用いられます。

西洋の礼装では昼と夜で着用するものが変わります。
モーニングコートは名前通りに昼間に着用する第一礼装です。
結婚式や貸衣裳の現場では「モーニング」と省略した言い方をする事が多いかもしれませんね。

日本の結婚式は午前中から午後にかけて始められる事が多いため、これを「昼間」と考える事でモーニングコートを着用します。
また、映像や写真でも、ウェディングドレス姿の花嫁をモーニングコートを着た父親がエスコートする様子が多く、「父親はモーニング」といった認識が広まったのでしょう。






モーニングコートを着用する際には、白のワイシャツに白黒の縞もしくはグレーのネクタイ、白のポケットチーフ、手には白の手袋を持ちます。

右手に手袋を持つのは「敵意がありません」を示す西洋のマナーです。右手は剣を持つために空けておくのが西洋の男性の心得ですが、その右手に手袋を持つことで「右手に剣を持ちません」とアピールする意味があるのかもしれませんね。

モーニングコートは西洋の服装のため、着こなしにも西洋の文化が色濃く残っているのです。

しかしながら、日本流に変化した部分もあります。日本のモーニングコートのベストには白い衿がついています。これは西洋のモーニングコートにはないそうです。

日本では慶事ではベストに白衿を付け、弔事では外します。

これは「着物の世界では慶事には重ね衿を付ける」事を模しているのではないかな、と考えたことがあります。留袖には白い比翼衿(ひよくえり)が付いていて、喪服には比翼衿(ひよくえり)を付いていません。似ていませんか?







西洋文化を日本流にアレンジして、現代のモーニングコートの着こなしとなっているのかもしれませんね。

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