おめでたい柄として広く知られている「松」
実はいろいろな描き方があるのをご存じですか?
着物に描かれることの多い3つの松をご紹介します。
ひとつめは、着物の柄として最もポピュラーなのは五葉松(ごようまつ)です。
ふたつめは若松(わかまつ)です。
字の通り、芽吹いたばかりの若い松です。
放射状に開いた葉が花のようにも見えますね。
若々しさ、みずみずしさを感じさせる柄です。
亀甲模様のようですが、よく見ると上部に突起があります。
放射状の葉、中央の突起、リアルに描かれている事がわかります。
正月飾りの松です。
門松の中に飾られたり、玄関に飾られたりしています。
もともと、私たちの生活の側にあるものなので着物の柄にもなっているのですね。
樹齢何百年といった松の老木を描くのが老松(おいまつ)です。
枝が曲がり、幹には苔が生えてきています。
「苔のむすまで」という表現は「苔が生えてくる程の長い時間」という意味になりますが、着物の柄として考えると「長寿」といった意味合いになりそうです。
松のデザインにもさまざまな種類があることから、昔の人は自然を細やかに観察して図柄に描いていたことが分かります。
着物の柄を通して昔の人たちの豊かな感受性を感じますね。