染めの着物に織りの帯という言葉があります。
この場合の染めの着物とは、小紋や付け下げ、訪問着など染め柄の着物の事です。織りの帯とは金糸や銀糸を織り込んだ佐賀錦や西陣織などの帯の事です。フォーマルな着物にはフォーマルな帯を合わせた方が良いという意味となります。
訪問着や振袖、留袖などには金銀糸を織り込んだ帯を合わせるので、まさに「染めの着物に織りの帯」となります。
また、「織りの着物に染めの帯」という言葉もあります。
織りの着物とは先染め糸で織る事で柄を出す紬の事、染めの帯とは金糸銀糸を織りこんでいない生地に染め柄を施した帯です。カジュアルな着物にはカジュアルな帯を合わせるのが良い、という意味になります。
着物のコーディネートを考える際に、季節や色合いを考えるだけでなく、「フォーマルかカジュアルか」も考えた方が良いという事ですね。
また、着物と帯で素材感を変える事で、お互いに良さを引き立てあっているという側面もあります。染め柄の着物はつるりとした素材感なので織の帯のテクスチャーが合いますし、織りの着物は凹凸のある素材ですから染め帯のつるりとした質感が合うとも考えられます。