着物を着用して外を歩く時には着物用のコートも着用する事がおすすめです。
着物を汚さないようにするため、また寒い季節には防寒も兼ねて、そして絹の着物は日光や蛍光灯の光によって色が退色しやすい事から、着物を守るためコートを着用するのです。
普段着や街着としての着物でしたら、コートを省略する場合も多いでしょう。コートを着ない方が帯や帯締めなどのコーディネートが見えて素敵ですよね。
しかし着物の中でも特にフォーマルな装いの場合には、外を歩く際に着物用のコートを着用するのが本来はマナーです。
着物用のコートは防寒や汚れ除けという意味だけではなく、礼儀の意味を持つものもあります。道行(みちゆき)と言い、フォーマルな装いの場合には、道行(みちゆき)というコートを着用するのがマナーです。
道行(みちゆき)は衿が四角になっている形のコートの事です。
礼装の着物にコートが必要な理由は、自分ひとりの楽しみの場ではなく相手のあるきちんとした場で着用する事から「この場に来るために着物が汚れてしまっては皆様に申し訳ない」という気持ちを表現している、という事ではないでしょうか。
もちろん、着物を着て外を歩いても着物を汚さない自信がある方もいらっしゃる事でしょう。しかしコートを着用する事で「汚さないように気を付けていますよ」というアピールになります。「察する」文化の日本らしい配慮だと感じます。
現代ではフォーマルな装いの場合、特に結婚式などの場合には結婚式の行われるホテルや結婚式場の中で着付けをする方も多くなりました。そのため外を歩くことがないので道行(みちゆき)を着用しないケースが増えています。
ご自宅などから会場に向かう場合は道行(みちゆき)を着用する事が望ましいですが、道行を持っていないという方は大判ストールなどに肩にかけるなどのアレンジをしてみるのも、良いアイディアではないでしょうか。